耐候性試験
耐候性試験とは?
耐候性試験とは、自然環境による劣化への耐性を短期間で評価するため、太陽光に似た人工光源を照射し、対象物に断続した水の噴射を行う試験です。
太陽光による光の影響、温度や湿度、降雨といった屋内・屋外の条件を再現することで、対象物の劣化を促進させ、材料の耐性や劣化の程度・状況を確認することができます。
耐候性試験には「屋外暴露試験」と「促進耐候性試験」の2種類があり、温度や湿度、降雨などの条件を再現するものは促進耐候性試験、対象物を屋外にさらすことで状態の変化を確認する方法は屋外暴露試験と呼ばれて区別されています。
耐候性試験の試験事例
サンシャインウェザーメーターによる耐候性試験
- 試験目的:塗料やプラスチックなどの素材に対して、耐候性を試験するために行われる。OKIエンジニアリング株式会社では、紫外線の波長部に強いエネルギーをもつ光源であるサンシャインカーボンアーク灯を光源とした耐候性試験に対応しており、規格に基づいた試験のほかに、各種環境を組み合わせた試験も行われる。
- 対象品:塗料、プラスチック、ゴム、繊維
- 試験規格:
JIS K 7350-4 実験室光源による暴露試験方法
JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法
JIS B 7753 サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機および耐候性試験機
キセノンウェザーメーターによる耐候性試験
- 試験目的:塗料やプラスチックなどの素材に対して、耐候性を試験するために行われる。OKIエンジニアリング株式会社では、太陽光に近似する波長帯域の光源であるキセノンアーク灯を光源とした耐候性試験に対応しており、太陽光の約3倍の「スーパーキセノンウェザーメーター」による高照度試験や、分布を変えずに照度を変更する方法に対応している。
- 対象品:塗料、プラスチック、ゴム、繊維
- 試験規格:
JIS K 7350-2 プラスチック-実験室光源による暴露試験方法
JIS B 7754 キセノンアークランプ式耐光性および耐候性試験機
耐候性加速試験
- 試験目的:樹脂製品の劣化について、屋外環境に依存することから耐用年数を考慮した材料選定ができるように、簡易耐候性試験システムによって耐候性加速試験を実施している。1日という短期間で樹脂材料や製品を紫外線にさらし、加速試験を行う。
- 対象品:樹脂、樹脂製品
工業製品の耐候性試験
- 試験目的:さまざまな工業製品について、素材ごとの太陽光・紫外線による劣化の程度を確認するために行われる。対象素材に応じてサンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験・紫外線フェードメーター式耐候性試験・メタルハライドランプ式耐候性試験など複数の方法から実施。
- 試験規格:
JIS A 1415 高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法
JIS B 7753 サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
JIS B 7754 キセノンアークランプ式耐光性及び耐候性試験機 (ブルーシート)
JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法
JIS K 6266 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム耐候性の求め方
JIS K 7102 着色プラスチック材料のカーボンアーク燈光に対する色堅ろう度試験方法
JIS K 7350 プラスチック実験室光源による暴露試験方法
JIS K 5981 合成樹脂粉体塗膜
JIS E 4037 鉄道車両構成部品耐候性試験方法
JIS L 0842 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
JIS K 5600-7-7:2008(ISO 11341:2004) 塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)
環境試験はトータルで対応できる会社へ
環境に対する部品や部材、装置などへの耐性はさまざまな角度から評価する必要があるので、環境試験も一つの対象品に対して、さまざまな種類の試験を実施しなければなりません。
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