部品や部材、製品などが周囲の温度や湿度に対してどの程度耐性があるのかを評価する試験です。電子製品や電子部品、車や航空機の部材など適用範囲は多岐にわたります。温湿度試験には、温度変化と湿度に対しての耐性を評価する「温湿度サイクル試験」、結露に対する耐性を評価する「結露凍結試験」などがあります。
部品や部材、製品などが周囲の温度に対してどの程度、耐性があるのかを評価する試験です。高温・低温の温度変化を繰り返し対象品に与え、急激な温度変化にさらされた場合の部品や部材、製品の評価を行うのが温度衝撃試験です。
温度衝撃試験には、テスト環境下に高温の風と低温の風を交互に送り込んで温度変化を与える「気相熱衝撃試験」、高温の液体と低温の液体に交互に浸し、温度変化を与える「液槽熱衝撃試験」、温度変化勾配が規定されている「急速温度変化試験」があります。
部材や部品、製品に衝撃が加わったときの耐性を評価する試験です。ハンマーなどで打撃し、衝撃を与えて耐性を評価します。評価項目には「靭性」と「脆性」があります。
衝撃試験の種類には「アイゾット衝撃試験」と「シャルピー衝撃試験」の2つがあります。衝撃試験の用途は材料の評価・選定、製品の品質保証などです。JISやMILなど多くの規格で衝撃に対する耐久性の基準が定められており、衝撃試験の多くはこれに従って行われます。
部材や部品、製品に対して、温湿度の変化に加え、振動が加わった場合の耐性を評価する試験です。自動車・航空機・鉄道関連の部品や、産業機器では温湿度の変化と振動に同時にさらされることが多く、温湿度変化と振動を同時に受けた場合の耐性を評価し、部品や製品の耐久性や安全性を保証するため複合環境試験は欠かせない試験です。
小型の部品や製品から大型の部品や製品までさまざまなサイズのものに対して試験が行われているのも特徴です。複合環境試験はJISやMILを中心とした多くの規格で基準が定められています。
部材や部品、製品を落とした時、または部材や部品、製品に物が落ちた時の耐性を評価する試験です。指定の高さから対象物を落下させてどの程度の耐落下性能があるのかを調べます。
また、対象物が重くて持ち上げて落下させる検証ができないような場合については、対象物に対して重量がある鋼球などを落下させることによって同様に耐落下性能を調べることが可能です。
耐落下性能を調べることにより、輸送中、使用中の衝撃にどの程度まで耐えられるのか、誤って落とした場合に故障・破損してしまう可能性がどの程度あるのかなどを把握できます。
加硫ゴムや熱可塑性ゴムの製品は、大気中に存在しているオゾンによって製品表面に亀裂が生じやすいです。生じた破裂が長い期間をかけて成長することで、製品のトラブルにつながる可能性があります。
オゾン環境下においてゴムや樹脂製品が規定時間暴露した場合、試験体がどのような変化をするかをチェックするのがオゾン試験です。ゴムや樹脂の製品をオゾンの環境で使用した場合、亀裂がどの程度で発生するのか、どれぐらい発生しにくいのかを知れるのが特徴です。
塵埃, 耐塵試験は、自動車部品・電子部品・各種ユニットなどの塵埃に対する耐塵性能を評価するための試験です。自動車部品や電子部品、その他塵埃にさらされる可能性のある製品を塵埃にさらし、塵埃に対しての性能低下に耐える性質、耐塵性を確認します。
塵埃, 耐塵試験が行われることの多い自動車においては、エンジンルームが最も塵埃環境が厳しい場所であるとされており、塵埃の多い環境においても部品が正常に機能するかどうかを確かめるために、重要な試験です。
ガス腐食試験は、腐食性ガスに対する製品の耐久性を確かめるために行う試験です。基本的には、使用時に想定される大気環境を作り出し行います。主な対象は、電子部品の接触部や接続部です。動作時や保管時にこれらの部位が腐食性ガスから受ける影響を調べるために実施します。
用いられるガスの種類はさまざまです。例えば、硫化水素ガス(H2S)・二酸化硫黄ガス(SO2)などがあげられます。あるいは、複数のガスを混合させる場合もあります。ガス腐食試験を実施することにより、製品の品質や信頼性を確かめられます。
飛行機やロケットなどに用いられる電子部品・半導体製品などを主な対象とする試験です。
定常的な加速度環境から重力以外の力を受けたときに生じる影響を調べます。実際の使用環境とは異なるストレスを各方向へ加えることで、他の試験ではわからない構造上の欠陥などを明らかにできる点が特徴です。
実際の試験は、専用の試験装置に試験サンプルを加えて遠心加速度によるストレスを加えることで行います。車載用電子部品に関する世界的な規格に採用されているなど、重要性あるいは注目度の高い試験です。
名称の通り、製品の耐水性を調べる試験です。耐水性は、水圧に対する耐性を指します。具体的には、試験サンプルの片面から水圧を加えて、反対の面から水が漏れ出したときの圧力を調べることなどで耐水性を調べます。
試験の主な対象として、雨傘やレインコートなどがあげられます。電子部品などを対象とする耐水試験も行われています。この場合の目的は、外部から水圧をかけて製品の耐水性や排水性などを調べることです。
実際に行われる試験は、製品の使用環境などで異なります。散水試験・噴水試験などが実施されています。
減圧試験とは、製品を梱包した際に中身の破損の程度や緩衝材・包装材の破損・破裂・膨張度などを確認するための試験です。
電子機器やガラス製品など、破損のリスクがあるものを適切に輸送するためにも減圧試験は欠かせないものとなっています。
実際に航空機などで輸送が行われる際の環境のシミュレートにも役立ちます。試験ではノートパソコンや携帯電話、心臓ペースメーカーなどの各種電子機器のほか、緩衝材や梱包材の耐久性と破損の程度もチェックされ、対象物を包むための強度を確認するためにも減圧試験が役立てられています。
長期保管試験は、対象物が梱包されたまま長期間保存された際の品質の劣化程度や梱包材の状態を確認するために行われる試験です。食品・医薬品など直接人の体に影響を与えるものが、保存対象に設定されます
例えば梱包した食料を重ねた状態で長期保存する「積み付け」での長期保管試験が実施されており、荷物の積み付けによる外装の潰れや中身の破損の有無を調べることができます。
また医薬品を試験するためには、GMP省令(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)に対応した品質管理体制が必要です。
耐候性試験は、屋外に対象物をさらして自然な劣化程度を判断する「屋外暴露試験」と、自然光や降雨などの自然条件を再現して対象物の変化を判断する「促進耐候性試験」に分けられます。
どちらも自然環境による劣化への耐性と状況の劣化速度を観察する方法で、試験によって得られたデータは耐用年数を考慮した材料選定に役立てられます。
水の噴射や太陽光にもっとも近い波長帯域光源であるキセノンアーク灯などの照射を一定期間にわたって行います。
対象物には塗料やプラスチックなどの素材のほか、樹脂を使った製品が用いられることもあります。