振動試験機を導入する際は、軸数を確認することが重要です。本記事では「1軸振動試験機」「2軸振動試験機」「3軸振動試験機」、それぞれの特徴やメリット、製品例について解説していきます。
1軸振動試験機は、一方向のみに振動を加える試験機です。振動試験機の中で一般的に使用されており、特に基板や電子機器などの振動試験に適しています。
1軸振動試験機の主なメリットは、そのシンプルさと専門的な振動試験に特化している点です。一方向のみに焦点を当てることで、特定の振動特性を詳しく分析することが可能になります。基板や電子機器など、デリケートな部品の振動耐性を評価する際に、適している装置といえます。
株式会社振研の「G-0シリーズ」は、汎用性の高い1軸振動試験機のラインナップです。最大加振力が1kN(102kgf)から196kN(20,000kgf)までと幅広く、静圧空気軸受、静圧油圧軸受、機械ベアリングなど、異なる軸受オプションを選択できます。
エミック株式会社の「Fシリーズ」は、40年以上の製造販売実績を持つ信頼性の高い1軸振動試験装置です。小型から大型まで、1.3kNから60kNの加振力をカバーし、幅広い振動数に対応することが可能です。また、高い耐久性を誇り、さまざまな振動試験に対応。確実な試験実行を可能にします。
2軸振動試験機は、上下の1軸と水平方向の1軸を組み合わせた振動試験機のことです。特に輸送試験に適しており、単軸試験機と比較して、より現実的な環境下での振動試験が可能になります。
2軸振動試験機の主なメリットは、より現実に近い試験環境を再現できることです。輸送中の物品に起こる複合的な振動を試験できるため、製品の輸送時の耐久性や、安全性をより正確に評価することができます。また、X軸とY軸の切り替えが簡単であるため、試験の効率化と時間短縮が可能です。
株式会社振研の「G8シリーズ」は、耐震や地震再現、輸送試験など、さまざまな用途に適した2軸振動試験機です。二方向同時加振型と二方向切替型の両方を提供し、冷却方式は空冷式または水冷式、可動部支持は静圧油圧軸受が採用されています。
また、二軸間のクロストークを極力抑える独自の構造により、より精度の高い試験が可能となっています。
国際計測器株式会社の「電気サーボモータ式2軸切替・同時振動試験機」は、高度な振動試験ニーズに応えるための装置です。電気サーボモータ式アクチュエーターを振動駆動部に搭載しており、1軸振動試験機と比較して、供試体の向きを一回替えるだけで上下、左右、前後の2軸切替振動試験を行える利便性を実現しています。
そのため、供試体の取り付け変更や装置の取り替えにかかる時間を大幅に短縮。効率的な試験運用が可能です。また、3軸切替振動試験機や3軸同時振動試験機へのアップグレードもできます。
3軸振動試験機は、上下1軸と水平方向の2軸を組み合わせた振動試験機です。実際の環境に近い条件下での試験を実現することができ、特に複雑な振動環境を再現する必要がある場合に適しています。
3軸振動試験機のメリットは、実際の使用環境に近い条件での試験が可能である点です。複数の方向に同時に振動を加えることができるため、製品が実際の使用中に経験する、さまざまなストレスを効果的にシミュレートすることができます。
これにより、製品の耐久性や信頼性を、より高いレベルで評価することが可能になります。
株式会社振研の「G6シリーズ」は、耐震、地震再現、輸送などの幅広い用途に適した3軸振動試験機です。三軸間のクロストークを抑える独自の構造を持ち、より精度の高い試験を実現します。
標準仕様には水平二方向(X, Y)と垂直方向(Z)の加振方向があり、冷却方式は空冷式または水冷式、可動部支持は静圧油圧軸受が選択できます。さらに、加振方向の自動切換ユニットの追加や、恒湿恒温槽対応などのオプションも提供。多様な振動試験のニーズに対応することができる製品です。
国際計測器株式会社の「動電式3軸振動試験機」は、高度な振動試験に対応するために開発された装置です。自動車のECUや電子部品、航空宇宙機器用の電子電気機器など、高い信頼性が求められる分野での3軸振動試験に適しています。
2000Hzまでの高周波帯域の3軸同時振動試験を可能にする、同社独自の「特殊スライド機構」と「フローティング機構」を採用しており、これまで実現困難であった複雑な高周波振動試験を実行可能にしました。
振動試験機を導入する際は、用途に合わせて「1軸振動試験機」「2軸振動試験機」「3軸振動試験機」選択することが大切です。各軸の特徴、メリットを理解しておきましょう。
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