減圧試験
減圧試験とは?
減圧試験とは包装材に対して行う試験のひとつで、梱包物の破損や緩衝材の膨張度・破裂を確認するための試験です。
製品を輸送する際、梱包される電子機器やガラス製品、また食品や粉末などは破損のリスクがあるため、梱包材や包装材には一定の耐久性が求められます。
破損や梱包物脱落のリスクを抑えるために、梱包材や包装材は一定の負荷に耐えられなければなりません。減圧試験は振動・衝撃試験や積み付け・長期保管試験などとあわせて、強度や品質を確認するために実施されています。
減圧試験は、圧力を変化させられる試験装置の中に対象物を置いた状態で行われます。実際に気圧が変化する山岳地帯や高地などを想定して行われるため、航空や船舶による輸送をシミュレートすることが可能です。
減圧試験の試験事例
梱包物の破損・緩衝材の膨張と破裂を確認する試験
引用元:OKIエンジニアリング(https://www.oeg.co.jp/Rel/packaging.html)
- 試験目的:梱包物を放送する緩衝材(包装材)について、減圧環境での膨張と破裂を確認する試験。梱包物を含まない状態で、緩衝材のみを対象に行う。
- 対象品:緩衝材
- 対応規格:
ASTM D6653、ISO2873
温度・減圧複合試験
- 試験目的:電子部品・電子機器製品が温度変化+減圧の状態で問題なく動作するか、影響を調べる複合耐性評価試験。近年では携帯電話やデジタルカメラなどの民生用電子機器の小型化によって、低圧環境での使用頻度が高まったことから、この試験の重要性が増しているため、航空機搭載機器を中心に山岳や高地での利用環境をシミュレートした。
- 対象品:車載ユニット、CPU、携帯電話、ノートPC、タブレット、デジタルカメラ、時計、心臓ペースメーカー、コンデンサ、梱包袋、緩衝材
- 対応規格:
JIS C 60068-2-13:環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法
JIS C 60068-2-40:低温・減圧複合試験方法
JIS C 60068-2-41:高温・減圧複合試験方法
JIS W 0812:航空機搭載機器-環境条件
JIS W 7114:航空機電気コネクタ試験
MIL-STD-810・METHOD 500:LOW PRESSURE
ASTM D6653、ISO2873:包装貨物の減圧試験
- 減圧環境下に起因する不良事例:
ガス・液体の漏洩、コンデンサの液漏れ、フラットパネルの表示品位低下
高電圧充電部の放電による短絡・発煙・発火・高圧トランスからの発煙
放熱量の低下、冷却ファンの効率低下による部品温度上昇、局部加熱、CPUの冷却不良
梱包袋の破損、緩衝材の膨張・破裂
環境試験はトータルで対応できる会社へ
環境に対する部品や部材、装置などへの耐性はさまざまな角度から評価する必要があるので、環境試験も一つの対象品に対して、さまざまな種類の試験を実施しなければなりません。
よって、受託試験をお願いする際は、対応幅が広い会社へお願いしましょう。当サイトでおすすめする振動試験受託サービス業者2社の対応範囲を掲載しますので、ぜひ参考にしてください。