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加速度とは?振動試験の基礎を学ぶ

機械的な振動に関して試験方法を与える、振動試験。振動試験を行う際に設定するのが「加速度」です。このページでは、振動試験における加速度について詳しく解説していきます。

加速度とは?

振動試験における加速度とは、試験を行う際に設定するものです。加速度は単位時間当たりの速度の変化量を表す量で、1m/s2であれば、1秒間にm/s変化したことを表します。加速度の計算は、時間で微分・積分することで、それぞれの値を求めることができます。

振動試験における加速度は、試験機の性能以下でなければなりません。治具及び共試品は共振しないものとして、試験条件から最大値を計算する必要があります。

加速度の計算方法について

ここからは、加速度の計算方法や変位、速度について解説します。

加速度の計算方法

加速度の計算式は「a(t)=(dv(t))/dt=-(2πf)^2x_0 sin(2πft) 」です。速度の一般式を、微分した式になっています。変位・速度・加速度には時間で微分・積分することで、計算で値を求められます。また、三角関数の比例式になっているので、周期関数の特徴はそのまま利用できます。

変位とは

変位とは、物体が、ある位置からどれだけ動いたかを表す量です。正弦波の一般式は「x(t)=x0 sin(2πft)」です。fが周波数、tが時間、x0は変位の振幅を表しています。

速度とは

単位時間当たりの変位の変化量を表す量を速度と言います。数式は「2πfx0 cos(2πft)」で、変位の一般式を時間で微分した式になります。fが周波数、tが時間、x0は変位の振幅を表します。速度の式は微分されているので「cos」に変わります。

加速度についてのおさらい

加速度とは、単位時間当たりの速度の変化量を表す量です。速度を微分すると加速度になり、式は「-(2πf)2×0 sin(2πft)」で表します。cosを微分したため、マイナスのsinに変わっています。

ピーク値を計算したい場合には、変位に2πfをかけることで速度を求められ、さらに2πfをかければ加速度を求めることが可能です。加速度を2πfで割ると速度が求まり、さらに2πfで割れば、変位を求められます。変位・速度・加速度は三角関数の比例式になっており、演算処理を行う上では扱いやすいカタチになっています。

加速度rms値とは?

加速度rms値とは、ランダム波の振動数毎の加速度応答をそれぞれ二乗し、その合計をさらに平方根した値のことをいいます。ランダム振動試験を行う上では、加速度rms値を理解しておくことがとても重要です。加速rms値を理解しておけば、ランダム波形の大きさを把握することも容易になります。課題試験を防ぐこともできるので、しっかり理解しておきましょう。

rms値はRoot Mean Square(二乗平均平方根)の略です。正弦波振動の場合は、指定した正弦波のピーク値によって加速度のピーク値を決めることができます。しかし、ランダム波のピーク位置は不規則な波形で切り替わるため、簡単に決めることができません。そこで、ランダム波の振動数毎の加速度応答をそれぞれ二乗し、合計をさらに平方根した値を出すことで、加速度の大きさを表すのです。これにより、全体の加振レベルをrms値基準として調整できるようになります。

まとめ

振動試験を行うには、加速度などを正確に設定する必要があります。しかし、設定が難しい場合は、振動試験の受託サービスを利用してもよいでしょう。振動試験を依頼できる会社をまとめていますので、参考にしてみてください。