落下衝撃試験
落下衝撃試験とは
落下衝撃試験とは、耐落下性能を調べるための試験です。製品を取り扱っている最中に誤って落としてしまうようなことがありますが、そういった場合にどの程度耐えられるのか調べるのに活用されます。
耐落下性能が低い製品の場合、物流中の落下事故などの被害に遭い、ユーザーに届くまでの間に壊れてしまう可能性も高いです。事前に落下試験や機械的落下衝撃試験などを行うことにより、十分な製品強度があるかを調べることができます。
さらに、検討している包装設計が問題ないのかを判断する際にも役立つ試験です。落下衝撃試験の結果、耐性が不足していることがわかったような場合、再度設計や梱包を見直すことで物流中の故障に備えるだけではなく、ユーザーにとって長く扱い続けられる製品づくりが目指せます。対象となっている製品そのものを調べたい高さから落下させるもののほか、製品を固定し、そこに鋼球などを落下させて衝撃を与える試験があります。
落下衝撃試験の試験事例
スマートフォンの落下衝撃試験
- 試験目的:操作している最中や取り出す際、バッグやポケットにしまう際に落としてしまうことが多いスマートフォンの耐落下性能を調べるため。製品を落下させた際に生じる筐体の変形やひずみを可視化・分析することが目的。どの程度製品強度があるのか確認できるほか、設計の改善に役立つ。
- 対象品:スマートフォン
- デジタル画像相関法(DIC)計測結果
【使用カメラ】MEMRECAM HX-7 (株式会社ナックイメージテクノロジー)
【撮影速度】10,000 fps
【デジタル画像相関法(DIC)解析ソフト】GOM Correlate Professional
ダート式で衝撃に対する強さを調べる試験
引用元:住ベリサーチ(https://www.sb-r.co.jp/services/analysis/material_property/01_05/)
- 試験目的:プラスチックの薄いシートの耐衝撃性を評価するため。ダートを落下させて衝撃を与えることにより、材料の破壊の程度を評価。ダートは数種類のおもりと組み合わせる形で試験が可能。試料の上にダートを落下させ、衝撃破壊質量を求める。
- 対象品:プラスチック制の薄いシートまたはフィルム
- 特徴
【A法】直径38mmの半球状の頭部をもつダートを高さ0.66mから落下
【B法】直径50mmの半球状の頭部をもつダートを高さ1.5mから落下
【試験片クランプ】内径125mm
- 測定範囲
【破壊質量】A法ダート直径38mm、B法ダート直径50mm
【落下高さ】0.66m
供試品の落下を再現可能な落下衝撃試験
- 試験目的:誤った取り扱いをした場合に発生する供試品の落下を再現する試験。供試品にはどのような影響があるのか、どの程度の最低強度があるのかなどを調べる。角やエッジ部からの落下衝撃についても再現し、試験が可能。
- 対応規格:IEC/JIS C 60068-2-31、JIS Z 0202
鋼球落下試験・自然落下衝撃試験
- 試験目的:自由落下試験では正しく評価するのが難しい打撃などに対し、自由落下試験と同程度の衝撃歪を与えることが可能な鋼球落下を用いて評価試験を行うのが目的。使用中や修理作業中などに誤った取り扱いをした場合に発生する打撃などによる影響を再現。
- 対応規格:JEITA ET-7409/106A、JEITA ET-7409/107
環境試験はトータルで対応できる会社へ
環境に対する部品や部材、装置などへの耐性はさまざまな角度から評価する必要があるので、環境試験も一つの対象品に対して、さまざまな種類の試験を実施しなければなりません。よって、受託試験をお願いする際は、対応幅が広い会社へお願いしましょう。当サイトでおすすめする振動試験受託サービス業者2社の対応範囲を掲載しますので、ぜひ参考にしてください。