トラックや鉄道の輸送では、貨物は運搬中、上下左右とさまざまな方向から振動を受け続けます。そして、貨物は梱包状態によっても振動から受ける影響は変わります。繰り返し振動を受け続けることによる貨物の疲労破壊や貨物同士の衝突による破損・擦れなども起こる恐れがあります。
また、貨物ではなく輸送車両に搭載されている機器も同様に振動の影響を受けるので、疲労破壊や部品同士の衝突による破損・擦れなどが起こる可能性があるのです。こうした貨物や搭載機器が受ける影響を評価するため、輸送運搬では振動試験が重要とされ、JISなどの規格でも評価基準が定められています。
輸送運搬では、あらゆる方向からの振動が想定され、長時間にわたる輸送や走行が行われることもあるので、振動試験でも実際の輸送運搬状況にあわせ、多くの振動パターンを実施したり、長時間の輸送や走行を想定したりする必要がでてきます。
独自の梱包形態に対応しなければならない場合もあります。このため、試験にはあらゆるパターンを想定するノウハウが必要で、時間や手間もかかります。設備や試験担当の技術者がそろっている場合は自社で対応できますが、納期に追われ時間が足りなかったり、そもそも設備や試験担当の技術者が不足したりしている場合は受託試験を検討してみるのがおすすめです。