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輸送運搬業界の振動試験(輸送試験)事例

輸送運搬で振動試験が重要な理由

トラックや鉄道の輸送では、貨物は運搬中、上下左右とさまざまな方向から振動を受け続けます。そして、貨物は梱包状態によっても振動から受ける影響は変わります。繰り返し振動を受け続けることによる貨物の疲労破壊や貨物同士の衝突による破損・擦れなども起こる恐れがあります。

また、貨物ではなく輸送車両に搭載されている機器も同様に振動の影響を受けるので、疲労破壊や部品同士の衝突による破損・擦れなどが起こる可能性があるのです。こうした貨物や搭載機器が受ける影響を評価するため、輸送運搬では振動試験が重要とされ、JISなどの規格でも評価基準が定められています。

輸送運搬の振動試験事例

実輸送振動計測と試験プログラム作成の試験事例

  • 試験目的:JISなどの公的規格では、左右方向の条件の記載がないため、大型品や天地無用の製品における輸送業務で必要となる、水平方向の振動を評価するため試験条件の開発を行う。
  • 対象品:ダミー荷物
  • 試験条件:輸送距離、加速(試験時間の短縮)、路面、速度など走行条件のGr化などを考慮し今回の試験時間、レベルを決定した。各軸の試験が多いが、3軸同時加振がより有効である。

フォークリフトの振動再現事例

  • 試験目的:フォークリフト運搬時の振動を3軸で加振し、単軸では再現できない荷崩れの確認、対策を実施する。積み込み時フォークリフト走行振動→トラック輸送振動→積み卸し時のフォークリフト走行振動を組み合わせ、実環境を模擬する。
  • 対象品:パレットに3段積みしたサンプル(10Kg/個)
  • 試験条件:ダミー質量(500Kg)を搭載した実走行データを基に、3軸同時試験機を使用して加振を実施。

自社テストセンターへ導入?それとも受託試験?

輸送運搬では、あらゆる方向からの振動が想定され、長時間にわたる輸送や走行が行われることもあるので、振動試験でも実際の輸送運搬状況にあわせ、多くの振動パターンを実施したり、長時間の輸送や走行を想定したりする必要がでてきます。

独自の梱包形態に対応しなければならない場合もあります。このため、試験にはあらゆるパターンを想定するノウハウが必要で、時間や手間もかかります。設備や試験担当の技術者がそろっている場合は自社で対応できますが、納期に追われ時間が足りなかったり、そもそも設備や試験担当の技術者が不足したりしている場合は受託試験を検討してみるのがおすすめです。