大型振動試験機とは、震度7前後の実地振動のテストが行われる試験装置のことです。最大変位振幅が100cmの振動を加えることができ、テーブルの寸法は1.5mから5mほどまであるものもあります。大規模な試験が行えるため、試験中に周囲の住宅や建物に影響を与えることもあり、基礎にフローティング構造が採用されていることも少なくありません。
大型で重量のあるものに対して振動を加えられるため、JRなどの鉄道会社の試験でも採用されている振動試験機です。ただしあまりに試験品の重量がありすぎる場合は、垂直方向の加振に制限があることもあります。
大型振動試験機はさまざまな業者で取り扱われています。大型振動試験機を取り扱っている業者について具体的に見ていきましょう。
こちらの大型振動試験機は、振動試験と衝撃試験に適しているタイプです。機械的な振動を受ける製品への試験にて、上下・水平方向への振動を加えて、共振周波数を測定することにより耐久性を確認できます。
ただし地震による揺れを想定した試験には使用することができず、試験耐商品の重量が重すぎる場合には、垂直方向に対して500Hz以上の振動は加えられないことがあります。
振動テーブルが縦7m×横5mにも及ぶ大型の振動試験機です。波形を乱さずに試験を実施できるように、反力補償技術が採用されていることが特徴です。また周辺の建物への影響を抑えられるように、基礎をフローティング構造とし、空気バネにより免振作用が働くようにしています。
外基礎や浮基礎の中にX・Y軸加振機を設置しており、その中央に不定装置を設置したうえで静圧継手・振動テーブル・アキュームレータ・転倒防止装置を備え、下部に免振支承を置いた構造です。
大阪産業技術研究所で取り扱われている大型振動試験機は、加振力20.5kN、最大加速度16.0m/s^2、最大速度0.7m/s、最大変位280mmp-p(x、y)、140mmp-p(z)のものです。大型貨物用の振動試験機であり、包装貨物や振動が加わる製品に対する試験が行なえます。
また振動により何らかの問題が起きた際の原因究明や対策を検討すること、効果を検証することにも利用可能です。テーブル寸法は1.5mと、ひとつ前の項目で解説した鉄道総合技術研究所のものより寸法は小型となっています。
振動試験機の中には今回ご紹介したように、大型のものも存在します。試験対象品により選ぶべき振動試験機の種類も変わるので、利用するためにはまず基礎知識を確認しておくことが大切です。
本サイトでは振動試験機や振動試験受託サービスについての基礎知識をわかりやすく解説しています。これから小型・大型問わず振動試験機を利用したいと考えているなら、ぜひ上手な使い方・正しい選び方を知るための参考にしてください。