振動試験機などの計測器を正確に保つためには、キャリブレーションが重要です。定期的に行うことで信頼性のあるデータを得られます。
キャリブレーションとは、計測器が示す値の精度を確保するために行われる作業のことです。英語の「Calibration」から由来し、「目盛り」「調整」を意味します。具体的には、計測器の表示値を標準器と比較し、その差異を確認して正しい値に調整します。計測器は使用頻度や経年劣化によって誤差が生じるため、定期的なキャリブレーションが欠かせません。この作業により、計測器が常に正確なデータを提供できる状態を維持できます。
キャリブレーションは通常、測定前や環境の変化があった際に行われます。また、計測器の使用頻度や重要度に応じて、定期的なキャリブレーションも推奨されます。この作業を怠ると、計測器の信頼性が低下し、不正確なデータが生じるかもしれません。そのため、キャリブレーションは正確な測定を行うための基盤となる重要な作業です。振動試験機などの精密機器においては、わずかな誤差が大きな影響を及ぼすため、特に注意が必要です。
校正とは、計測器が現状でどのような精度で動作しているかを確認するための作業です。校正では、計測器の測定値と標準器との誤差を明らかにし、その誤差をもとに計測器の精度を評価します。校正自体は計測器の調整を目的としているわけではなく、あくまで現在の状態を確認するためのプロセスです。校正の結果、計測器が規定の範囲内で正確に動作していない場合、必要に応じてキャリブレーションを行い、再度計測器を正しい状態に戻す必要があります。
校正は定期的に実施することが重要であり、その間隔は使用環境や計測器の種類によって異なります。もし校正をする際は、過去の校正記録と比較して、どの程度の誤差が生じているかを把握しましょう。それで計測器が適切な状態で維持されているかどうかを確認します。また、校正の記録は後々のトレーサビリティにも役立ちます。計測器の精度管理の一環として、校正は非常に重要です。
「校正」という言葉を調べる際、「較正」という表記を目にすることもあります。元々、「校正」は「較正」と表記されていましたが、常用漢字表では「較(こう)」という読み方が記載されていないため、現在では「校正」と表記するのが一般的となっています。つまり、「校正」と「較正」は全く同じ意味を持つ言葉です。通常は「校正」が広く使用されますが、正式な文書や場面では「較正」が使われることもあります。
キャリブレーションと校正は似た作業ですが、その目的と方法には違いがあります。キャリブレーションは、計測器の正確性を確保するために調整や修正を行う作業です。一方、校正は計測器の現状を確認するものであり、調整は行いません。
キャリブレーションが必要になるのは、校正によって誤差が発見された場合などです。つまり、校正が現状の把握を目的とするのに対し、キャリブレーションは正確性の確保を目的とする点で異なります。これらの違いを理解し、適切に実施することが計測器の信頼性を維持するカギとなるでしょう。