振動試験機の中には、アクチュエータを搭載しているものがあります。本記事では、アクチュエータとは何か、アクチュエータ搭載の振動試験機を選択するとどのようなメリットがあるかなどを紹介します。
アクチュエータとは、自動機器にとって欠かせない役割を持つ装置です。エネルギーと機構部品を組み合わせ、直進・回転などの動作に変換するために使われています。
身近なところだと、自動車のドアロックやドアミラー、自動販売機などにも使用されています。
仕組みや種類から確認しておきましょう。
アクチュエータの基本的な仕組みは、エネルギーを受け取り、それを物理的な動きに変換するというものです。
例えば、モーターと駆動機構を組み合わせてモーターを回転させる際などに使われています。
アクチュエータで変換できる運動はさまざまです。自動ドアの開閉などに使われている直線運動、一定の角度で往復しロボットの関節などに使われている揺動運動、他にも直交運動、回転運動、らせん運動などの運動に変換できます。
アクチュエータにはいくつかの種類があります。
まず、電気式のものです。身近なところではこの電気式アクチュエータが採用されており、高効率・高精度な制御が行えます。動力となるのはDC・ACサーボモータやステッピングモータ、リニアモータなどです。
それから、油圧を動力源としてポンプのピストン運動でエネルギーを生み出す油圧式アクチュエータがあります。油圧によって非常に大きなエネルギーを組み出せることから、大型装置で多く使用されている方法です。
空気圧式アクチュエータと呼ばれる種類は、高圧空気の力を使用します。
エア駆動式アクチュエータとも呼ばれるものであり、高速かつ大出力です。使用するのは空気であることから、安全性も高いといえます。
圧電効果によって動作するピエゾアクチュエータと呼ばれる種類もあります。小型なのが特徴ではありますが、構造的にみると丈夫な設計です。また、摩耗を起こさないため潤滑剤は必要ありません。
この他にも電磁石を動力としたソレノイド式アクチュエータなどの種類があります。
アクチュエータを搭載した振動試験機の導入を検討しているのであれば、どのようなメリットがあるか確認しておきましょう。代表的なメリットは以下の通りです。
例えば、低速で安定した振動試験を行いたいと考えた際、アクチュエータが役立ちます。特にアクチュエータの中でも代表的な電気式アクチュエータは、低速でも安定した動作に向いている種類です。
アクチュエータの中には、非常に高精度な制御ができるものもあります。そのため、精度にこだわって振動試験を行いたいと考えた場合はアクチュエータが搭載されている装置で振動試験を行うと良いでしょう。
アクチュエータにはいくつか種類があり、どの種類に該当するのかによって特徴が異なります。アクチュエータを搭載した振動試験機を導入しようと検討しているのであれば、種類ごとの特徴を確認しておきましょう。
以下のページでは振動試験に関しておさえておきたいポイントを紹介しています。こちらも参考にしてみてください。