振動試験機には主に、「水冷式」と「空冷式」の2つの冷却方式があります。これらの冷却方式によってどのような違いが現れるのか、各冷却方式の具体的な製品例もご紹介しながら解説していきます。
振動試験機の冷却方式は、主に「水冷式」と「空冷式」にわけられます。水冷式は熱がこもりにくく冷却効率が高いものの、クーリングタワーやチラーを設置しなければなりません。対して空冷式では水冷式に比べて排熱が多く、冷却効率で劣りますが、手軽に設置できることがメリットです。
振動試験機の冷却方式には解説したように「水冷式」と「空冷式」のcがあり、それぞれ特徴が異なるため目的や用途にあったものを選んでください。
IMVから提供されている「汎用型振動試験機Kシリーズ」は、水冷式のため吸気・排気の音が少なく、静音性が高いことが魅力です。静音であるため試験環境がより良くなり、許容偏心モーメントの大きさによって安定した加振が可能となっています。
Kシリーズは「標準タイプ」と「Ecoタイプ」の2種類にわかれており、さらにいくつもの種類が用意されています。それぞれでスペックや冷却能力が異なるため、目的や用途にあわせていくつもの種類の中から選べるのが特徴です。
EMICの「【水冷大型仕様】加振力60~200kN」の特徴は、大きな加振を必要とする試験に適していることです。冷却効率が高い上に大型で、同シリーズの中でも大きな加振力となります。そのため大型の部品や機器、航空宇宙システム、人口衛星、防疫システムなどの試験にも適した製品です。
もともとはMIL、NDS、ASTM、IEC、ISO、BS、JISの試験や軍用規格・国際規格を満たすために設計された振動試験機です。
「低騒音小型振動試験機 mシリーズ」は遠藤科学株式会社から提供されている振動試験機で、強制空冷と自然空冷と2種類の冷却方式に対応します。内部にはDCファンを搭載しており、冷却ブロワを設置しなくても冷却性能を得ることが可能です。
また防振パッドも内蔵されており、静音性が高く小型であるため、場所を移動して試験を行いたいときにも役立ちます。重量は25kg※と同社の従来品に比べて10kg軽く、体積も2/3※となったため持ち運びにも便利な仕様です。
スペクトリス株式会社ホッティンガー・ブリュエル・ケアー事業部からは、空冷式の冷却方式を採用した振動試験機である「V8800 + XPA-K加振器システム」が提供されています。自動車・航空宇宙・防衛などの大型の振動試験機を必要とする分野に向けられており、重量700kgまでの試験体の耐久テストに対応可能です。最大制限定格加振力は59kNで、最大衝撃加振力は175kNとなっています。