IECとはInternational Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略で、電気・電子に関する国際規格を標準化する団体です。IEC規格とは、電気・電子に関する技術における標準化を目的とした国際規格で、固有の番号が振り分けられています。
IEC規格が用いられるのは電気・電子に関する分野です。よって、適用される業界は幅広く、電子機器・電子部品の業界だけでなく、自動車、航空・宇宙、輸送・運搬、鉄道、産業機器など多岐にわたります。
ISOとはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、ISO 規格は電気・電子以外の分野に関する標準化を目的とした国際規格です。ISO規格には、製品に関するものとマネジメントに関するものの大きく分けて2種類があります。
ISOの振動試験が行われるのは、自動車、航空・宇宙、鉄道、産業機器などの業界で多くみられます。
JIS規格はJapanese Industrial Standards(日本産業規格)の略で、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です。日本の国家規格ですが、物やサービスの国際取引が盛んに行われている昨今では国際規格との整合性も図られています。
振動試験の対象となる分野は幅広く、評価される対象物も多岐にわたります。土木及び建築分野では建物や建材の耐震性を、一般機械・電子機器及び電気機械・自動車・鉄道・船舶の分野では部品・製品の耐久性や運搬物の保全を評価するケースが多く見られます。
NAS規格は国際航空宇宙規格(National Aerospace Standard)の略で、航空宇宙産業の業界で使用される規格です。航空・宇宙システムや部品類の使用決定、設計・保守のために用いられており、固有の番号が振り分けられています。
現在、航空・宇宙業界において世界標準となっている規格はISO規格ですが、NAS規格もまだまだ多く使用されています。
MIL規格はMilitary Specification and Standardsの略でアメリカ国防総省が定めた規格で、アメリカ軍の調達資材に関して、過酷な環境下でも問題なく使用できる品質基準が定められています。
武器だけでなく生活必需品や電化製品など、適用用途は多岐にわたります。振動試験の対象物となるのは、一般機械・電子機器及び電気機械・自動車の分野における部品・製品、物流分野の運搬物が多くなっています。