振動試験ガイドサイト 振験ぶっく

振動試験するなら、
自社試験
それとも受託試験

振動試験は数多くの製品で必要となる試験ですが、
自社でテストセンターを設けるべきか?それとも受託試験を依頼し続けるべきか?どちらが得策でしょうか。
自前/委託のメリット・デメリットから、自社に合った試験体制を考えてみましょう。

自社試験/委託試験
それぞれのメリット

自社試験

  • 毎回一定規格の試験を高い頻度で実施する場合、毎回外部で試験をするよりも、自社で試験装置を購入した方が、ほとんどの場合トータルコストは低減します。
  • 社内で試験を実施すれば設計者などの関係スタッフが立ち会いしやすく、設計上の問題点を見つけるなど、運用上でPDCAをまわし、改善につなげることが可能です。

委託試験

  • 試験予定が中長期的に計画化できないレベルなら、自社で試験装置を購入するより単発での試験にかかるコストが大幅に低くなります。
  • テストセンターは小型~大型など機種バリエーションが多彩なので、一つ一つの試験内容にマッチする必要最小限の試験装置を選択できます。

自社試験/委託試験
それぞれのデメリット

自社試験

  • 実施予定のあらゆる自社試験を全てカバーしようと必要最大限の試験装置を導入することにより、結果的に設備の導入・運用共に高いコストがかかる場合があります。
  • 試験技術者(試験実施、試験治具設計、試験仕様作成、更新)を自社で継続的に確保しておく必要があり、費用対効果が合わない可能性もあります。

委託試験

  • 高頻度で定期的に試験を実施する場合、逐一外部で委託試験をする方がトータルの出費がかさむリスクがあります。
  • 委託先テストセンターの場所によるものの、設計者などの関係スタッフによる試験立ち会いは時間や距離などの制約を受けます。

それぞれどんな会社が
選ぶべき?

ここでは自社試験と受託試験の
メリットとデメリットから、
それぞれに適した企業の傾向を
まとめて紹介します。
自社に合った振動試験は自社/委託どちらなのか、検討してください。

自社試験

  • 試験頻度が多い
  • 品質保証力をブランディングしたい
  • 自社内で研究開発ナレッジを蓄積したい

委託試験

  • 試験頻度が少ない
  • リリース前の製品の試験を行っている
  • 現段階で大きなイニシャルコストが無い

自社試験は、日常業務として試験頻度が高く、製造工程全般をできるだけ内製化することがメーカーとしての価値向上につながる会社に向いています。
自社で振動試験機を導入すべく、国内の信頼できるメーカーを複数社、チェックしましょう。

一方、受託試験は、試験頻度の予測が立てにくく、かつ試験装置導入の大きなイニシャルコストは出せない 会社に向いています。
また、リリース前の製品試験のような試行錯誤が必要な段階でも、受託試験がおすすめ。
設備が充実していて高品質なテストができる振動試験受託サービス会社を比較しましょう

そもそも振動試験とは

振動試験とは、製品に振動を与えて、その性能や品質、耐久性などをテストするもの。
環境試験の一種で、製品の使用環境における振動試験と、製品の運搬に伴う振動試験に大別することができます。
試験規格はJISをはじめ分野ごと分類されているものもあれば、メーカーが独自に定めているものなど様々で、振動試験機も機械式・油圧式・動電式といった駆動方式を含めて多種多様なバリエーションがあります

振動試験の種類

正弦波振動試験

ファンやモーターなどの影響を確認すべく、正弦曲線のまま、一定速度で進む波を用いた振動試験

ランダム振動試験

時間経過に従って振動・振幅が変化する上、規則性が無い振動現象による振動試験です

衝撃振動試験

JIS・MILといった公的規格やメーカー独自規格で耐久性基準が定められている衝撃・振動に関する試験

振動試験に用いられる規格

IEC

国際電気標準会議の略称であり、電気・電子関連の国際規格標準化団体名で、そこが定める規格

ISO

国際標準化機構の略称で、電気・電子以外の分野に関する国際規格標準化団体名。

製品規格とマネジメント規格の2種類あり

JIS

日本産業規格の略称で、日本の産業製品に関する規格や測定法などを定めているのがJIS規格

NAS

National Aerospace Standard略称で、航空宇宙産業に関連する規格の一種

MIL

Military Specification and Standardsの略称で、アメリカ軍の調達資材についてアメリカ国防総省が定めた規格

振動試験の事例

自動車

激しい振動の中で、高い信頼性と耐久性を発揮する部品を求められるのが自動車業界の基本

航空・宇宙

航空機やロケットはより激しい負荷にさらされる状況で安全性や耐久性を確保できるか試験します

電子機器

小型化高性能化がどんどん進む一方、屋外使用における振動や衝撃でも正常動作が求められる業界です

輸送運搬

製品の利用環境における試験ではなく輸送中の貨物と、輸送車両の機器も振動試験が重視されます

鉄道車両

鉄道車両はJISなどの規格で評価基準が定められた振動試験をクリアしないと運行許可されません

電池関連

輸送時と使用時、両方のシーンにおける振動耐久性や、地震時の安全性などを試験します

耐震

実際の地震をシミュレーションして実施される振動試験では、建物や製品の耐震性能を調べます

携帯電話・ポータブル機器

携帯電話・ポータブル機器の振動試験では、製品に振動を与える試験を実施。耐振性を確認するための試験を行います。

オーダーメイド対応の振動試験機メーカーの導入事例

エミックHP
引用元HP:エミック公式
https://www.emic-net.co.jp/
【PR】顧客に合わせた振動試験機の提案って?

国内試験機メーカーの中でも特別注文製品やシステム応用製品などによって、
個別の顧客ニーズに合わせた
オーダーメイド提案をしているエミック

詳細ページではエミックのオーダーメイド対応による振動試験機導入事例を紹介しています

オーダーメイド対応!
振動試験機導入事例

振動試験と一緒に対応することの多い環境試験

温湿度試験

温度変化や湿度に対する温湿度サイクル試験、結露に対する結露凍結試験など、複数の耐性評価試験があります。

温度衝撃試験

高温~低温の急激な温度変化における製品評価の試験。送風や液体を使うなどして高温と低温を再現します。

衝撃試験

ハンマーなどで打撃することによって、衝撃が加わったときの耐性を調べる試験。評価項目は靭性と脆性。

複合環境試験

温湿度の変化と合わせて行う振動試験。自動車関連製品をはじめ、実用環境を想定した耐性を評価します。

落下衝撃試験

対象の製品を落下させ、どの程度の耐落下性能があるか調べる試験。落とした場合の壊れやすさなどを調べられます

オゾン試験

オゾン試験では、人工的に発生させたオゾンを含んだ空気中に試験品を暴露させ、試験品の亀裂の発生状況を観察します。実際に使用される現場を想定して試験を行います。

塵埃、耐塵試験

塵埃が多い環境でも問題なく作動するか、塵埃の影響を受けていないか、耐塵性を確かめるために行う試験です。

ガス腐食試験

ガス腐食試験は、想定される大気環境を模擬することで腐食性ガスに対する製品の耐久性を確かめる試験です。

定加速度試験

定常的な加速度環境から力を受けたときに、電子部品・半導体製品などに現れる影響を調べる試験です。

耐水試験

製品が耐えられる水圧を調べる試験、または製品の耐水性・防水性・排水性などを調べる試験です。

減圧試験

製品が梱包された際に、高所など圧力が変化する環境での耐久性や梱包物の中身の状態を調べる試験です。

長期保管試験

製品が長期にわたり保管された際の状態を調べる試験です。実際の長期保存環境を再現し、対象物の劣化程度や梱包材の状況を調べます。

耐候性試験

太陽光や紫外線、温度・湿度の変化などの自然環境による劣化程度を調べる試験です。人工的に環境を再現して行われます。

振動試験機・振動試験の基本情報

超音波疲労試験とは?

超音波疲労試験は、読んで字のごとく超音波を用いた疲労試験です。疲労試験とは、対象物が破壊に至る「限界点」を把握するための試験です。一般的な油圧式サーボ試験機や回転曲げ疲労試験機でも行える試験ですが、ギガサイクル領域では多大な時間を要するため、疲労試験では20kHzの周波数を出すことができ、なおかつ10の7乗回以上の超高サイクル疲労試験が可能な超音波疲労試験機を使用します。試験対象は機械構造物や高強度鋼など、疲労破壊までに多くの時間がかかるものです。

治具とは?振動試験に必要?

治具とは、加工物を固定したり作業をサポートするための工具です。製造業で広く用いられており、振動試験でも使われています。振動試験で使う治具には、水平加振台、垂直補助テーブル、サイコロ治具といったものがあります。さまざまな種類がありますが、供試品や作業内容に合わせて一品一様で制作されているのが特徴です。治具を制作する場合は、振動試験機のメーカーに相談してみるとよいでしょう。メーカーによっては振動試験機用の治具を制作できる場合があります。

振動試験機の校正とは?

校正試験とは、振動試験機の状態を確認するための試験です。振動試験機は気温、湿度など環境要因に加え、消耗、故障、摩耗など経変変化により性能や精度が徐々に低下していきます。性能や精度が低下すると、測定値の器差(誤差)が生じて、対象物の正確な測定ができなくなるため、定期的に校正試験を実施して試験機の状態を把握しておかなければなりません。こちらでは、振動試験機の校正試験について詳しく解説していますので参考にしてください。

振動試験機の防音・防振対策とは

振動試験機を設置する場合は、稼働音による騒音対策を考える必要があります。防振空気バネ方式やボディサスペンション方式、浮き基礎方式など防振機構の搭載や、振動試験機用の防音カバーを付ける等の方法で防振・防音が可能です。それと同時に振動試験機を扱う際は、付帯設備の有害物質、床への影響、冷却ファンのホース、他装置への影響などにも留意する必要があります。試験機をとりまく周辺環境全体を見通す広い視野を持つことが大切です。

小型振動試験機はどんな振動試験機?

小型振動試験機は、その名称からも分かるように小型の振動試験機です。小型化は日本メーカーが得意とするところですが、振動試験機は大型化も顕著です。しかし、小型のニーズも多々あることから、小型振動試験機を取り扱うメーカーも増えています。

振動制御器の特徴は?

「制御」という名称から、ブレーキ・ストップさせるためのものをイメージするかもしれませんが、振動制御器とは条件を設定する、つまりは「コントロールする」と考えると分かりやすいです。そのため、振動制御器を活用することで、より精度の高い振動試験を行えるようになります。

振動試験機にはどんな種類がある?

振動制御器も多々登場しています。種類や方式など、バリエーション豊富なことから、振動試験機をと考えているのであれば、振動試験機の種類・方式を理解することが大切です。振動試験機は決してどれも同じではありません。それぞれ微妙に異なるものなので、ニーズに沿った振動試験機の導入が大切です。

振動試験機のレンタル方法とかかる費用とは?

振動試験機はレンタルでも利用でき、問い合わせから見積もりを出してもらったら、試験機が送られてくるので、試験が終わったら返却するだけで振動試験機が利用可能です。ただし場合によっては振動試験受託サービスの方が低コストとなることもあります。

大型の振動試験機とは?特徴と取扱業者

大型の振動試験機とは、震度7前後の実地振動試験も行える試験機のことです。大型で重量のある対象物への振動試験でも役立ちます。大阪産業技術研究所、鉄道総合技術研究所、東京都立産業技術研究センターなどが取り扱っています。

振動試験機の構造とは?

振動試験機は「プリチャージアンプ」「振動発生機」「電力増幅器」「ブロワ」「振動制御装置」の5つの構造により成り立っています。振動試験受託サービスを利用するにしても、事前に構造ごとの役割を知っておくことが大切です。

振動試験における共振とは?

共振は、電気回路などで重要な役割を果たすものです。日常にあふれているものですが、共振が起きることで騒音や製品の故障などの問題になる場合もあります。共振試験ではランダム振動試験が実施され、実際の環境に近い振動環境を再現します。

加速度とは?
どうやって計算する?

振動試験を行う際に設定する加速度は、時間で微分・積分することで値を求めることができます。変位・速度・加速度は三角関数の比例式になっているため、演算処理を行う上では非常に扱いやすくなっています。加速度は正確に設定することが大切です。

振動の減衰比や減衰特性とは?

減衰比は、振動の大きさや収まりやすさに関わる指標です。減衰比が小さいと振動が収まるまでに時間がかかる一方、大きいと振動が収まるまでの時間が短くなります。減衰比は対象の構造や素材など、減衰に関わる要素に依存しています。振動試験においては、各素材の減衰特性をしっかりと調べ、減衰比を導き出すことが大切です。ただし、共振には注意しましょう。

正弦波振動試験を行う方法

正弦波振動試験は、対象物に一定の周波数の振動を与え続ける振動試験のことです。一定の振動がかかり続ける製品や、特定の振動による影響を評価したい時に適しています。正弦波振動試験はJIS C 60068-2-6を始め、さまざまな規格が定められています。しかし、各値は推奨値ですので、要件や仕様が決まっている製品はそれらを優先しましょう。

ランダム振動試験を行う方法

ランダム振動試験は、対象物に不規則な振動を与え続ける振動試験です。振動の周波数や振幅はランダムで、さまざまな振動による影響を評価することができます。主に電気製品や電子製品などの構造欠陥や、劣化を特定する時などに適しています。また、ランダム振動試験の結果を供試品の合否判定に用いることも可能です。

振動計と振動試験機の違いは?

振動試験機は振動計に含まれるという意見もありますが、作っているメーカーや使用が向いている対象物が異なります。振動試験機が製品に振動を与えて試験する装置であるのに対して、振動計は振動を測定する機器です。振動試験機は、自動車の部品や電子機器の部品などの検査だけでなく、食品や日用品の検査にも向いています。

ラトルノイズと振動試験について

ラトルノイズは、製品の部材同士が衝突して生じる異音です。ラトルノイズを評価するには、加振器を用いて対象物を加振して評価します。ラトルノイズが問題になりやすいのが、自動車です。車から正体不明の異音が聞こえると、不安になる方が多く、調査や整備にコストがかかる点が問題です。場合によってはメーカーの評価と収益に影響を与えます。

バイオ医薬品に必要とされる振動試験とは

バイオ医薬品は、輸送時の振動に弱い製品です。そのため、輸送時にはゴムの防振材を用いて、速度を抑えて走行するといった工夫がされています。バイオ医薬品が輸送時の振動に影響を受けると、薬の品質が変化する恐れがあります。振動による悪影響を防ぐために、実際の振動に近いランダム振動を用いて振動試験が行われるのです。

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