振動試験は数多くの製品で必要となる試験ですが、
自社でテストセンターを設けるべきか?それとも受託試験を依頼し続けるべきか?どちらが得策でしょうか。
自前/委託のメリット・デメリットから、自社に合った試験体制を考えてみましょう。
自社試験
委託試験
自社試験
委託試験
ここでは自社試験と受託試験の
メリットとデメリットから、
それぞれに適した企業の傾向を
まとめて紹介します。
自社に合った振動試験は自社/委託どちらなのか、検討してください。
自社試験
委託試験
自社試験は、日常業務として試験頻度が高く、製造工程全般をできるだけ内製化することがメーカーとしての価値向上につながる会社に向いています。
自社で振動試験機を導入すべく、国内の信頼できるメーカーを複数社、チェックしましょう。
一方、受託試験は、試験頻度の予測が立てにくく、かつ試験装置導入の大きなイニシャルコストは出せない
会社に向いています。
また、リリース前の製品試験のような試行錯誤が必要な段階でも、受託試験がおすすめ。
設備が充実していて高品質なテストができる振動試験受託サービス会社を比較しましょう
振動試験とは、製品に振動を与えて、その性能や品質、耐久性などをテストするもの。
環境試験の一種で、製品の使用環境における振動試験と、製品の運搬に伴う振動試験に大別することができます。
試験規格はJISをはじめ分野ごと分類されているものもあれば、メーカーが独自に定めているものなど様々で、振動試験機も機械式・油圧式・動電式といった駆動方式を含めて多種多様なバリエーションがあります
ファンやモーターなどの影響を確認すべく、正弦曲線のまま、一定速度で進む波を用いた振動試験
時間経過に従って振動・振幅が変化する上、規則性が無い振動現象による振動試験です
JIS・MILといった公的規格やメーカー独自規格で耐久性基準が定められている衝撃・振動に関する試験
国際電気標準会議の略称であり、電気・電子関連の国際規格標準化団体名で、そこが定める規格
国際標準化機構の略称で、電気・電子以外の分野に関する国際規格標準化団体名。
製品規格とマネジメント規格の2種類あり
日本産業規格の略称で、日本の産業製品に関する規格や測定法などを定めているのがJIS規格
National Aerospace Standard略称で、航空宇宙産業に関連する規格の一種
Military Specification and Standardsの略称で、アメリカ軍の調達資材についてアメリカ国防総省が定めた規格
激しい振動の中で、高い信頼性と耐久性を発揮する部品を求められるのが自動車業界の基本
航空機やロケットはより激しい負荷にさらされる状況で安全性や耐久性を確保できるか試験します
小型化高性能化がどんどん進む一方、屋外使用における振動や衝撃でも正常動作が求められる業界です
製品の利用環境における試験ではなく輸送中の貨物と、輸送車両の機器も振動試験が重視されます
鉄道車両はJISなどの規格で評価基準が定められた振動試験をクリアしないと運行許可されません
輸送時と使用時、両方のシーンにおける振動耐久性や、地震時の安全性などを試験します
実際の地震をシミュレーションして実施される振動試験では、建物や製品の耐震性能を調べます
国内試験機メーカーの中でも特別注文製品やシステム応用製品などによって、
個別の顧客ニーズに合わせた
オーダーメイド提案をしているエミック。
詳細ページではエミックのオーダーメイド対応による振動試験機導入事例を紹介しています
温度変化や湿度に対する温湿度サイクル試験、結露に対する結露凍結試験など、複数の耐性評価試験があります。
高温~低温の急激な温度変化における製品評価の試験。送風や液体を使うなどして高温と低温を再現します。
ハンマーなどで打撃することによって、衝撃が加わったときの耐性を調べる試験。評価項目は靭性と脆性。
温湿度の変化と合わせて行う振動試験。自動車関連製品をはじめ、実用環境を想定した耐性を評価します。
対象の製品を落下させ、どの程度の耐落下性能があるか調べる試験。落とした場合の壊れやすさなどを調べられます
オゾン試験では、人工的に発生させたオゾンを含んだ空気中に試験品を暴露させ、試験品の亀裂の発生状況を観察します。実際に使用される現場を想定して試験を行います。
塵埃が多い環境でも問題なく作動するか、塵埃の影響を受けていないか、耐塵性を確かめるために行う試験です。
ガス腐食試験は、想定される大気環境を模擬することで腐食性ガスに対する製品の耐久性を確かめる試験です。
定常的な加速度環境から力を受けたときに、電子部品・半導体製品などに現れる影響を調べる試験です。
製品が耐えられる水圧を調べる試験、または製品の耐水性・防水性・排水性などを調べる試験です。
製品が梱包された際に、高所など圧力が変化する環境での耐久性や梱包物の中身の状態を調べる試験です。
製品が長期にわたり保管された際の状態を調べる試験です。実際の長期保存環境を再現し、対象物の劣化程度や梱包材の状況を調べます。
太陽光や紫外線、温度・湿度の変化などの自然環境による劣化程度を調べる試験です。人工的に環境を再現して行われます。
超音波疲労試験は、読んで字のごとく超音波を用いた疲労試験です。疲労試験とは、対象物が破壊に至る「限界点」を把握するための試験です。一般的な油圧式サーボ試験機や回転曲げ疲労試験機でも行える試験ですが、ギガサイクル領域では多大な時間を要するため、疲労試験では20kHzの周波数を出すことができ、なおかつ10の7乗回以上の超高サイクル疲労試験が可能な超音波疲労試験機を使用します。試験対象は機械構造物や高強度鋼など、疲労破壊までに多くの時間がかかるものです。
治具とは、加工物を固定したり作業をサポートするための工具です。製造業で広く用いられており、振動試験でも使われています。振動試験で使う治具には、水平加振台、垂直補助テーブル、サイコロ治具といったものがあります。さまざまな種類がありますが、供試品や作業内容に合わせて一品一様で制作されているのが特徴です。治具を制作する場合は、振動試験機のメーカーに相談してみるとよいでしょう。メーカーによっては振動試験機用の治具を制作できる場合があります。
校正試験とは、振動試験機の状態を確認するための試験です。振動試験機は気温、湿度など環境要因に加え、消耗、故障、摩耗など経変変化により性能や精度が徐々に低下していきます。性能や精度が低下すると、測定値の器差(誤差)が生じて、対象物の正確な測定ができなくなるため、定期的に校正試験を実施して試験機の状態を把握しておかなければなりません。こちらでは、振動試験機の校正試験について詳しく解説していますので参考にしてください。
振動試験機を設置する場合は、稼働音による騒音対策を考える必要があります。防振空気バネ方式やボディサスペンション方式、浮き基礎方式など防振機構の搭載や、振動試験機用の防音カバーを付ける等の方法で防振・防音が可能です。それと同時に振動試験機を扱う際は、付帯設備の有害物質、床への影響、冷却ファンのホース、他装置への影響などにも留意する必要があります。試験機をとりまく周辺環境全体を見通す広い視野を持つことが大切です。
小型振動試験機は、その名称からも分かるように小型の振動試験機です。小型化は日本メーカーが得意とするところですが、振動試験機は大型化も顕著です。しかし、小型のニーズも多々あることから、小型振動試験機を取り扱うメーカーも増えています。
「制御」という名称から、ブレーキ・ストップさせるためのものをイメージするかもしれませんが、振動制御器とは条件を設定する、つまりは「コントロールする」と考えると分かりやすいです。そのため、振動制御器を活用することで、より精度の高い振動試験を行えるようになります。
振動制御器も多々登場しています。種類や方式など、バリエーション豊富なことから、振動試験機をと考えているのであれば、振動試験機の種類・方式を理解することが大切です。振動試験機は決してどれも同じではありません。それぞれ微妙に異なるものなので、ニーズに沿った振動試験機の導入が大切です。