オゾン試験
オゾン試験とは
オゾンは、自然大気中に存在している酸素の同素体です。無色透明の気体で人間の目には見えません。しかし酸素原子からなるオゾンは、目には見えなくても強力な酸化作用を有しています。
そのため、屋外で使用されるゴム製品やプラスチック、塗料・繊維などの亀裂やひび割れを発生させる原因だと考えられています。
オゾン試験では、人工的に発生させたオゾンを含んだ空気中に試験品を暴露させ、試験品の亀裂の発生状況を観察します。実際に使用される現場を想定して試験が可能です。
ゴムや樹脂製品をオゾン環境下で使用した場合の亀裂の発生しにくさも迅速に知ることができます。反対に検査をして暴露に耐えたという結果が出れば、試験品の品質を保証できるでしょう。
オゾン試験の試験事例
静的オゾン劣化試験
- 目的:屋外環境で使用される輸送機器部品がオゾン暴露後にどのような劣化をするか、部品性能を確認するため。
- 対象品:輸送機器部品
- 試験方式:静的オゾン劣化試験
- 温度:40±2℃
- オゾン濃度:500±50ppb
- 暴露時間:72時間
耐オゾン試験①
- 目的:NBR・CRの対オゾン性を調査するため。0.5ppmのオゾンを含む空気で調査
- 対象品:NBR・CR
- 試験方式:耐オゾン試験
- 試験片:短冊状 長さ 60mm 幅 10mm 厚さ 2mm
- オゾン濃度:0.5ppm
- 引張ひずみ:20±2 %
- 試験温度:40±1 ℃
- NBRは試験開始から4時間未満でオゾンクラックが発生。一方でCRは8時間経過しても表面変化は発生しませんでした。
耐オゾン試験②
- 目的:NBR・HNBRの耐オゾン性を調査するため。1ppmのオゾンを含む空気で調査
- 対象品:NBR・HNBR
- 試験方式:耐オゾン試験
- 試験片:JIS ダンベル 3 号 DISX
- オゾン濃度:1ppm
- 引張ひずみ:20±2 %
- 試験温度:40±1 ℃
- 試験期間:1000時間
- HNBRのオゾンクラックは発生しませんでした。NBRは試験開始4時間で破断したことを確認しています。
環境試験はトータルで対応できる会社へ
環境に対する部品や部材、装置などへの耐性はさまざまな角度から評価する必要があるので、環境試験も一つの対象品に対して、さまざまな種類の試験を実施しなければなりません。よって、受託試験をお願いする際は、対応幅が広い会社へお願いしましょう。当サイトでおすすめする振動試験受託サービス業者2社の対応範囲を掲載しますので、ぜひ参考にしてください。