振動制御器とは、特性を反映させることで自動で目標の振動を発生させます。実測した振動データは、残念ながらそのまま電力増幅器に接続しても同じ波形の振動を発生させることは難しいです。むしろ振動発生機の特性によっては、まったく異なる波形となってしまうこともあります。
そこで振動制御器です。
様々な試験条件に基づき、振動を制御・計測するためのシステムで、計測結果を基に次の指令を与えます。ちなみに制御・計測に関しては業界ごとに定義されている規格に基づいたものとなっています。
振動制御器はPCと接続することが可能です。
振動コントローラとPCを接続することで、周波数や振幅、時間といった試験条件を設定できます。PCの利便性・汎用性は説明するまでもありませんが、アンプ、加振機、加速度センサとやり取りをすることで振動試験を行います。
振動コントローラから送られる信号はシンプルなものです。アナログ信号なので電圧によって周波数を表示できるのですが、加速度センサーによって測定されたDUT(被測定物)の振動状態は、振動コントローラに戻されます。また、その際入力信号を読み取ることで反応し、試験条件となるように修正してくれるのですが、こちらは試験が行われている間継続されるシステムとなっています。
振動制御器なしで振動試験機は使用できるのか、できないのか。結論をお伝えすると、振動制御器なしでも振動試験機の使用は可能です。ただし、そこにはメリットもあればデメリットもあります。
まず挙げられるメリットがコストです。安価になることから、コスト重視の環境にはメリットとなるでしょう。
また、比較的操作性が簡単な点もメリットです。制御にはコントロールが必要になりますが、制御器がなければ基本的にシンプルな操作で行うことができるでしょう。
ただし、試験中、要求条件を満たしているのかを監視できない点や、加速度や周波数に関して連続可変できない点、トラブルが発生したとしても自動で停止しない点がデメリットとして挙げられます。
振動制御器がある場合、振動制御器がない場合と比べるとコストがかかります。
ただし、それ以外に関してはメリットが多々あります。
ネットワークによるリモートコントロールやweb上からのモニタリング、試験終了をメールにて通知することもできます。
正弦波、ランダム波、ショック波、実波形、ランダムオンサインといった様々な試験を可能にするだけではなく、
設定値を保持できるので、常に振動発生機を制御できる点や、JIS規格試験のような複雑な試験条件もプログラムできる点、多チャンネルでの入力が可能なことでより精度の高い制御ができる点や、限界値を細かく設定できる点、異常検知や試験内容の保存が可能な点など、多くのメリットが用意されています。他にも機器によって他の施設との連動もできます。