振動試験ガイドサイト 振験ぶっく » 振動試験に用いられる規格 » 振動試験のISO規格

振動試験のISO規格

ISOとは

ISOとはInternational Organization for Standardization(国際標準化機構)の略で、ISO 規格は電気・電子以外の分野に関する標準化を目的とした国際規格です。ISO規格には、製品に関するものとマネジメントに関するものの大きく分けて2種類があります。

製品に関するものでは、一例をあげるとネジ(ISO68)、フィルム感度(ISO5800)、非常口マーク(ISO7010)など適用される分野は多岐にわたります。マネジメントに関するものでは、品質マネジメント(ISO9001)、環境マネジメント(ISO14001)、食品安全(ISO22000)、エネルギー(ISO50001)などがあげられます。

ISOの振動試験が行われるのは、自動車、航空・宇宙、鉄道、産業機器などの業界で多くみられます。

他規格との違い

ISO規格は電気・電子以外の分野に関する標準化を目的とした国際規格であるのに対し、IEC規格は電気・電子に関する技術における標準化を目的とした国際規格です。IECとはInternational Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略で、電気・電子に関する国際規格を標準化する団体です。

また、JIS規格はJapanese Industrial Standards(日本産業規格)の略で、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格です。他によく用いられる規格としては、NAS規格、MIL規格などがあります。

NAS規格は国際航空宇宙規格(National Aerospace Standard)の略で、航空・宇宙の業界で使用される規格です。MIL規格はMilitary Specification and Standardsの略でアメリカ国防総省が定めた規格で、アメリカ軍の調達資材に関して、過酷な環境下でも問題なく使用できる品質基準が定められています。

ISOの振動試験事例

乗用車車体に取り付ける製品の試験事例

  • 試験目的:温度サイクルにおける耐振動性を評価する。
  • 対象品:カーナビ240mm×140mm×120mm、2.5kg、1個
  • 試験条件:温度サイクルとランダム振動との複合環境試験
    ・温度サイクルをランダム振動の1軸当たり1サイクル(8時間)※ISO16750-3 TestⅣ車体搭載
    ・PSDのランダム振動を1軸当たり8時間×3軸 ※ISO16750-3 TestⅣ車体搭載

航空宇宙規格 - 軸直角方向振動条件下でのねじ締結体の動的ゆるみ試験事例

  • 試験目的:ある決められた条件で締結された一般的なねじ部品とゆるみ止め特性を有するねじ部品のゆるみ止め特性を同条件で比較すること。
  • 対象品:一般的なねじ部品とゆるみ止め特性を有するねじ部品
  • 試験条件:参照規格、試験条件は以下のとおり。
    【参照規格】ISO 16130
    【試験条件】締付け用部品は定められた軸力(例えば降伏応力の 75%)で振動試験機に取り付け、ボルト軸直角方向に振動させます(締結物に上記以外の荷重がかからないように注意)。振動試験実施中は、軸力の変動を測定します。
    「指定したサイクルを超過した・残留軸力が安定した・残留軸力が 0 kN になった・ボルト破断」のいずれかが発生した場合、試験を終了します。