温度衝撃試験
温度衝撃試験とは
部品や部材、製品などが周囲の温度に対してどの程度、耐性があるのかを評価する試験です。熱膨張係数が異なる素材同士が接合している部分では、膨張と収縮の割合が各素材で異なることから、ひび割れや剥離が発生してしまう場合があります。高温・低温の温度変化を繰り返し対象品に与え、急激な温度変化にさらされた場合の部品や部材、製品の評価を行うのが温度衝撃試験です。
温度衝撃試験には、テスト環境下に高温の風と低温の風を交互に送り込んで温度変化を与える「気相熱衝撃試験」、高温の液体と低温の液体に交互に浸し、温度変化を与える「液槽熱衝撃試験」、温度変化勾配が規定されている「急速温度変化試験」があります。
温度衝撃試験の試験事例
自動車部品の温度耐性評価
- 車載ディスプレイ
- ケーブル・ハーネス類
- ECU
- インバーター
- DCDCコンバーター
- 大型モーター
- ラジエーター
- アクチュエーター
試験装置例
- 気相熱衝撃試験:大型(600L)熱衝撃試験
- 装置名:TSA-503EL-W
- 製造者:エスペック
- 槽内寸法:W1200×H670×D750[mm]
- 耐荷重:50[kg]
- 温度範囲:-50℃~+150℃
- 気相熱衝撃試験:300℃対応熱衝撃試験
- 装置名:TSA-103ES-W(300℃仕様)
- 製造者:エスペック
- さらし温度範囲:高温側;+60℃~+300℃、低温側;-70℃~0℃
- テストエリアサイズ:W650×H460×D370[mm]
部品や樹脂成形材料の温度耐性評価
- はんだクラック・はんだ割れなどの市場不良の再現試験
- 鉛フリーはんだなどの接続材料の変更に伴う基板実装信頼性評価
- BGA、CSPなど実装形状の変更に伴う信頼性評価
- 各種コネクタの温度変化による、接続抵抗評価
- 樹脂成型品の熱歪みによるワレの確認
- 接合材料のひび割れ・剥離、シール漏れの確認
- 樹脂+インサートナットなどのような異種材料の組合せ成型品の評価
- 製品出荷前のスクリーニング処理
試験装置例
- 冷熱衝撃試験
- 装置名:冷熱衝撃試験装置TSDシリーズ(昇降式2ゾーン試験)
- 製造者:エスペック
- さらし温度範囲①:高温側;+60~+205℃、低温側;-77~0℃
- さらし温度範囲②:高温側;+60~+300℃、低温側;-77~0℃
- テストエリアサイズ:W710×H345×D410[mm]
- 冷熱衝撃試験
- 装置名:冷熱衝撃試験装置TSEシリーズ(昇降式2ゾーン試験)
- 製造者:エスペック
- さらし温度範囲:高温側;+60~+200℃、低温側;-65~0℃
- テストエリアサイズ:W320×H35×D230[mm]
環境試験はトータルで対応できる会社へ
環境に対する部品や部材、装置などへの耐性はさまざまな角度から評価する必要があるので、環境試験も一つの対象品に対して、さまざまな種類の試験を実施しなければなりません。よって、受託試験をお願いする際は、対応幅が広い会社へお願いしましょう。当サイトでおすすめする振動試験受託サービス業者2社の対応範囲を掲載しますので、ぜひ参考にしてください。