振動試験では「応力分布測定」が行われることがあります。振動試験における応力分布測定は製品の品質を向上させるために役立つため、振動試験受託サービスを利用する際にも知っておきたいことです。
振動試験における応力分布測定の目的とは、試料に応力が集中している部分を特定するためです。振動試験において応力が集中している部分は、疲労箇所であると想像できます。応力が集中している疲労箇所を特定すると、振動評価や設計の変更に反映できるため製品の品質を向上させやすくなるはずです。
振動試験における応力分布測定は、以上のように疲労箇所を特定し、製品の品質向上に寄与することにあります。
振動試験での応力分布を測定する方法のひとつとして、高分解能の赤外線カメラを用いる方法があります。赤外線カメラを使うと、信号処理により振動試験において応力が集中している部分の画像化が可能となります。応力変化による温度変化を、赤外線カメラにより測定できるためです。画像として視認化されれば、より詳細に確認できます。
赤外線カメラによる振動試験応力分布測定は、非接触で行えるのがメリットです。接触しないことで対象物に影響を与えず、より簡単に測定が行えるようになりました。
ひずみゲージ測定法とは、振動試験における動的応力を、ひずみゲージという方式により計測する方法です。金属に力を加えると、抵抗値が増減するのを利用した測定方法であり、ひずみゲージ測定は動ひずみ計により測定されます。電気絶縁物を介して対象物に接着された抵抗体は、対象物の動きに応じて抵抗値が変化するため振動試験における応力の集中を読み取れます。
結果はパソコンにはモニタグラフとして表示したり、スペクトルグラフを作ったりできます。またCSVファイル形式への変換もでき、さまざまなデータ形式で残せるのが特徴です。
振動試験の応力分布測定のために、3次元画像相関法と呼ばれる方法が採用されることもあります。3次元画像相関法では高速度カメラを用いて、実時間計測により対象物の変異分布を測定して疲労箇所を特定します。測定結果は3次元で表示され、示された座標値を読み取って応力の集中を確認する方法です。
3次元画像相関法で出力された測定結果は赤外線カメラを用いたときと同じように画像化されるため、直感的でわかりやすいことがメリットと言えます。
振動試験機では応力分布の測定が行われるケースがありますが、それは応力集中による疲労箇所を特定し、製品の品質を向上させることが目的です。振動試験における応力分布測定は、高分解能赤外線カメラやひずみゲージ法によって行われます。いずれの方法にしても画像やデータとして確認しやすく、疲労箇所の特定に役立つはずです。
当サイトでは振動試験機や振動試験に関する基礎知識について、さまざまなことを詳しく解説しています。これから振動試験受託サービスを利用する上でも役立つはずですので、ぜひ参考にしてください。