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電子機器業界の振動試験事例

電子機器で振動試験が重要な理由

電子機器はさまざまな製品の中でもとくに小型化が進んでおり、使用される用途や環境も多様化しているという現状があります。そのような現状の中では、さまざまなタイプの振動や衝撃が製品に加わることが想定されます。

よって、精密な動作を行う電子機器においては、想定されるさまざまなタイプの振動や衝撃に耐えて、正常に動作することが求められます。電子機器では、製品の安全性や性能を担保するためICEなどの規格基準を満たしていることを求められる場合も多く、このような理由から電子機器の振動や衝撃に対する試験は重要視されているのです。

電子機器の振動試験事例

構内移動台車に取り付ける電子機器の試験事例

  • 試験目的:構内を頻繁に移動させる台車に取り付ける電子機器の耐震性を確認するための試験仕様を開発し、供試品2種類を試験する。移動台車は人に押されて移動する。
  • 対象品:電子機器 320mm×300mm×250mm、12kg
  • 試験条件:滑らかなコンクリート、粗いコンクリートは平坦部試験として統一した。平坦部試験および段差部試験は共にランダム振動試験とした。各軸方向の試験の最大ピーク値を測定で得られた最大ピーク値に合わせた。したがって試験時間は、各試験によって異なるものとなった。加速係数 m=4を採用した。
    前後方向平坦部試験:30分 前後方向段差部試験:10分 左右方向平坦部試験:36分 左右方向段差部試験:16分 上下方向平坦部試験:2時間30分 上下方向段差部試験:40分

プリント基板の振動(ひずみ)試験によるはんだ接合部評価事例

  • 試験目的:プリント基板の振動(ひずみ)試験を行い、はんだ接合部評価する。
  • 対象品:プリント基板・QFPパッケージ・リード接合部・Bi(ビスマス)接合部
  • 試験条件:周波数50~60Hz直線掃引、加速度1G(0.980665m/s2)
    温度125℃、試験時間100時間

自社テストセンターへ導入?それとも受託試験?

電子機器分野では製品の種類が多く、小型の製品から大型の製品までさまざまで、使用環境や用途も製品によって異なります。それゆえ、要求される仕様も異なっており、それに見合った試験を行わなくてはなりません。

このような多岐にわたる製品のそれぞれに対して自社ですべての装置をそろえるのはコストがかかります。また、振動試験における高度な専門知識と広い知見をもった試験担当の技術者の育成も必要です。

よって、自社で試験設備・試験環境と技術者がそろっており、メンテナンスや導入にコストがかけられる場合はよいのですが、それが難しい場合は受託試験を行うのがおすすめです。

また、試験頻度が高い場合は自社で試験機や試験環境を準備し、試験実施したほうが低コストでできますが、試験頻度が高くない場合は受託試験を行ったほうが少ないコストで対応できます。