振動試験の掃引は、製品の耐久性と信頼性を確認する際に大切です。本記事では、直線掃引や対数掃引など、異なる掃引方法とその特徴、適用分野を詳しく解説しています。
掃引とは、振動試験において振動数を徐々に変化させながら、振動を発生させる試験方法を指します。製品の周波数応答特性を把握する上で、効果的な方法の一つであり、特に共振点を調べる試験において重要な役割を果たしています。
掃引試験では、特定の周波数範囲内で、徐々に振動数を変化させることにより、連続的に正弦波を発生させます。このプロセスにより、製品がさまざまな周波数にどのように反応するかを、詳しく観察できます。
波形は連続的であり、時間の経過と共に変化するため、製品の動的特性を理解するのに適しています。
掃引試験は古くから用いられている試験方法であり、現在でも共振点の調査など、特定の用途で広く利用されています。しかし、実際の環境下での振動とは異なる場合が多いため、多くの分野ではランダム振動試験に置き換わっています。
それでも、周波数応答特性を把握するための試験としては、有効であると考えられ、特定の状況下では掃引試験が適切な選択肢となることがあります。
振動試験において掃引は、製品がさまざまな周波数に対し、どのように反応するかを調べるために不可欠です。また、掃引には主に「直線掃引」と「対数掃引」と呼ばれる二つの方法があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
直線掃引は、振動数を毎秒一定の量だけ変化させる方法です。直線掃引の特徴は、高い振動数の範囲では振動回数が多くなり、低い振動数の範囲では振動回数が少なくなるという不均一性です。
このため、特定の周波数範囲における、製品の特性を詳細に調べる際に適しています。一方で、全体的な周波数範囲にわたる、均一な試験結果を得ることは難しいです。
対数掃引は、振動数の対数が経過時間に比例して変化する方法です。低い振動数ではゆっくりと掃引し、高い振動数では速く掃引するため、各振動数における振動回数はより均一になります。
対数掃引は「oct/min」という単位で掃引速度が表され、周波数を指数関数的に変化させます。これにより、幅広い周波数範囲にわたる製品の特性を、より平等に評価することが可能になります。
特に、製品が実際の使用環境において経験するであろう、さまざまな周波数の影響を総合的に評価する際に適しています。
振動試験の掃引は、製品の周波数応答特性を把握するために用いられ、共振点の調査に必要です。直線掃引では振動数を一定の割合で変化、一方で対数掃引では振動数の対数が時間に比例して変化し、各振動数で均一な振動回数を確保します。
このような特徴を知っておくことで、振動試験がスムーズに行えるでしょう。また、当サイトでは振動試験受託サービスを紹介しているため、ぜひ参考にしてください。