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振動試験の種類

正弦波振動試験

正弦波とは正弦曲線の波形を持つ波で、この形を保ったまま一定の速さで進みます。正弦波振動試験はこの正弦波を用いた振動試験です。ファンやモーターなど固有の振動数をもった製品からの影響を評価したい場合にこの試験を行います。

正弦波振動試験には、「正弦波一定振動試験(スポット試験)」と「正弦波掃引振動試験」の2種類があります。「正弦波一定振動試験(スポット試験)」は、ある特定の周波数の振動を一定時間与え続ける試験です。試験の目的は特定の振動数における特性評価や、共振耐久性の評価です。

「正弦波掃引振動試験」はある範囲で周波数を時間と共に変化させ、振動数を変えながら行う試験です。試験の目的は共振点の探索や、任意の振動数範囲の特性評価です。

ランダム振動試験

ランダム振動とは不規則振動とも呼ばれ、時間とともに振動・振幅が変化し、かつその変化に規則性が無い振動現象で、波形は不規則になります。どの瞬間においても振幅、周波数は予測できません。

このランダム振動を与える試験がランダム振動試験です。現実に起こる振動現象の多くはランダム振動で、例えば、車両走行時の路面からの振動もこれに当たり、自動車業界ではよく用いられる試験です。多くの振動数成分で同時に振動できるので、試験が短時間で済むというメリットもあります。

衝撃振動試験

荷物の輸送中や製品の使用中などに衝突や落下などで衝撃が与えられた際の振動を再現し、影響を評価する試験です。JISやMILなど多くの規格で衝撃・振動に対する耐久性の基準が定められており、衝撃振動試験の多くはこれに従って行われます。

また、電子機器などでは独自の基準を設けている場合もあります。突発的な事故を想定した場合だけでなく、常に振動により衝撃を受け続ける部材や部品、製品に対して試験が行われることもあります。自動車業界、産業機器業界、輸送・運輸業界、耐震業界でよく用いられる試験です。